股関節の痛みは、股関節だけが問題でないことが多いのです。
例え、股関節の軟骨がすり減っていてもです。
最近では、変形性股関節の原因と言われた関節軟骨の擦り減りは、股関節痛の直接原因ではないということがわかってきています。
関節軟骨は神経や血管がないために、痛みを伴わないのです。
ですので、変形性股関節症で関節軟骨がすり減っていても、痛みがない人もいるのです。
では、股関節の痛みの直接原因は何なのでしょうか。
痛みを感じている部分は股関節なので、股関節に原因がある・・・そう思い込んでしまいがちですが問題は他にもあるのです。
こたえは、股関節に関係する「筋肉や筋膜の緊張・こわばり」です。
関連する筋肉は、へそ横の筋肉(腹直筋)、鼠径靭帯の上下、股関節周り、太もも周辺の筋肉、肩周りの筋肉などです。
股関節に関係ないように思えるかもしれませんが、これらの筋肉の緊張を解放すると不思議と股関節痛がらくになってきます。
股関節周りや肩周りなど関連している部位のこわばりから修正していくほうが早道なのです。
股関節だけの治療というのは、あまり効果がありません。
手術にしても、術後の様々なトラブルがあります。
股関節痛の原因となっている「筋肉や筋膜の緊張」には、体のゆがみや普段の体の使い方が大いに関係しています。
病気はある日突然現れるわけではないのです。
10年、20年の間に習慣づき蓄積された不具合の表れです。
その他にも事故や怪我で股関節を痛めた場合でも、体がゆがむことにより痛みがひどくなるケースがあります。
股関節の手術を行う前に、ぜひこれらの股関節痛の原因を取り除いて、それから考えてみても遅くはないと思います。
別の問題(真の原因)を取り除いていくことができれば、悩み続けた股関節痛も解消できます。
痛みのある箇所ばかりに目を向けるのではなく、股関節の痛みの本当の原因は“股関節に関連した体全体にある”ということを知ることが大切です。
今後の治療の選択肢のひとつに考えていただければと思います。
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